#6 「笑顔で伝える“だいじょうぶ” 」

来日して1年未満のミャンマー出身の夫婦と1歳の子どもを支援しています。この方たちを支援する団体から、私の所属するNPO法人が委託をうけ、私は生活支援員として関わっています。

お母さんは保育園の準備や連絡帳の書き方もわからない状態からのスタートでした。ようやく慣らし保育が始まった頃、第2子の妊娠がわかり、不安でいっぱいの様子でした。言葉の壁もあり、最初に受診した産科の病院では「通訳がいない」と受け入れを断られました。役所で相談し、少し遠いけれどミャンマー語通訳が利用できる病院を見つけ、バスの乗り継ぎや受付の方法を一緒に確認しました。

4回目の妊婦健診からは病院に一人で通えるように練習してもらいました。私と彼女の共通言語は、簡単な日本語だけです。それでも、笑顔で「だいじょうぶ」と伝えることが支えになると感じました。パートナーやご自身の取得できる育児休暇制度を確認したり、いざ陣痛がきたときのタクシーの呼び方を練習したり、不安な気持ちのなか、出産に向けてポジティブにがんばっておられます。

制度面では、私自身の知識不足から、利用できるはずの助産制度が使えなかったことが悔やまれるところです。言葉や習慣の違いの中で出産を迎える母親に、少しでも寄り添えるよう、今後も学びを重ねていきたいと思います。

(大阪府 保育士・日本語教師/NPO法人職員 コスモス)

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