来日して1年未満のミャンマー出身の夫婦と1歳の子どもを支援しています。この方たちを支援する団体から、私の所属するNPO法人が委託をうけ、私は生活支援員として関わっています。
お母さんは保育園の準備や連絡帳の書き方もわからない状態からのスタートでした。ようやく慣らし保育が始まった頃、第2子の妊娠がわかり、不安でいっぱいの様子でした。言葉の壁もあり、最初に受診した産科の病院では「通訳がいない」と受け入れを断られました。役所で相談し、少し遠いけれどミャンマー語通訳が利用できる病院を見つけ、バスの乗り継ぎや受付の方法を一緒に確認しました。

4回目の妊婦健診からは病院に一人で通えるように練習してもらいました。私と彼女の共通言語は、簡単な日本語だけです。それでも、笑顔で「だいじょうぶ」と伝えることが支えになると感じました。パートナーやご自身の取得できる育児休暇制度を確認したり、いざ陣痛がきたときのタクシーの呼び方を練習したり、不安な気持ちのなか、出産に向けてポジティブにがんばっておられます。
制度面では、私自身の知識不足から、利用できるはずの助産制度が使えなかったことが悔やまれるところです。言葉や習慣の違いの中で出産を迎える母親に、少しでも寄り添えるよう、今後も学びを重ねていきたいと思います。
(大阪府 保育士・日本語教師/NPO法人職員 コスモス)
本コーナーでは個人の体験を尊重し、支援を受ける方々のプライバシーに配慮するため、執筆者の情報は「都道府県」「職種」「ハンドルネーム」のみを掲載します。また、支援場面によっては、医療福祉職などの専門資格を有していても、業務としてではなく、友人や知人として関わったケースも含まれます。
今後は、現場での気づきや実践を共有してくださる方々からの投稿を募集していく方向で検討しています。多文化ケアに関心を寄せる皆様の声をお待ちしております。
