#8 「母子手帳に書かれていない“これまで” ― 帯同家族が日本で子育てを始めるとき」

1歳半健診で、台湾出身のお母さんと1歳8か月の双子のお子さんに出会いました。双子の出生後しばらくは台湾で母子が暮らし、日本人のお父さんが行き来する生活を続けていたそうです。家族全員で日本に来たのは、健診の2週間前でした。

お母さんは日本語がほとんど話せず、日本語が堪能な友人が通訳として同行していました。私は、通訳がいてもできるだけ本人の目を見て、簡潔な日本語で話すよう心がけました。

気になったのは母子手帳の記載です。手帳の表紙に名前は記載されているものの、出生時の体重や成長記録、予防接種歴などはほとんど未記入でした。このまま医療機関を受診すれば、状況が共有されにくく、家族も医療者も戸惑うだろうと思いました。

健診後、子育て支援施設や予防接種券の手続きについて、役所内の複数窓口を回る必要があることを、通訳を介して説明し案内しました。予防接種歴は、お母さんの携帯電話に記録が残っていたため、未接種のものを整理し、窓口で照合したうえで、接種済み分を母子手帳に転記してもらいました。


今回つなぐことができたのは、私が健診以外の窓口業務もある程度知っていたからです。しかし、それは健診スタッフが必ずおこなうべき業務範囲には含まれておらず、時間や状況によっては対応できなかった可能性もあります。

乳幼児を連れて来日する帯同家族への支援は、どうしても個別対応になります。だからこそ、自治体内で情報を整理し、誰が対応しても一定の支援につながる仕組みを整えておく必要があると感じました。

(神奈川、健診担当スタッフ、フォンリースー)

タイトルとURLをコピーしました