横浜プロジェクト:地域薬局を起点とした医療アクセス支援モデルの検討

プロジェクトリーダー 鈴木高広 (横浜薬科大学 准教授)
      メンバー 吉田 林 (横浜薬科大学 准教授)・西村多寿子 (横浜薬科大学 非常勤講師)

本プロジェクトでは、外国人住民が多く居住する横浜市いちょう団地周辺を対象に、地域薬局を起点とした医療アクセス支援モデルの構築に向けた検討を進めています。マイナ保険証の導入等に伴い、外国人住民においては資格確認や制度理解の面で課題が生じる可能性があり、受診につながらない層の把握が重要となっています。こうした背景を踏まえ、薬局経営側からみた外国人対応の課題整理、服薬情報等を活用した受診支援の検討、医療機関や行政への接続機能の整理を行うとともに、地域における実態把握のための調査を開始しました。今後は、調査結果をもとに健康支援プログラムや対応マニュアルの開発を進め、多文化共生型の地域医療モデルの構築につなげていきます。

2026年4月8日に開催したオンライン勉強会において、横浜プロジェクトの活動報告を行いました。以下に「活動報告 第6回」より、プロジェクトリーダー鈴木氏の発表を掲載します。

「外国人集住地域における薬局を拠点とした健康共生モデルの構築」
鈴木氏より、外国人集住地域における薬局を拠点とした健康共生モデルの構築について報告がありました。対象地域である横浜市のいちょう団地は、外国籍住民が約2割を占める大規模団地であり、高齢化と多文化共生の課題が重層的に存在しています。

当該地域の薬局では、言語の壁、医療制度に対する理解不足、服薬やワクチンに関する知識の差異、さらには身体的制約による受診困難など、多様な課題に日常的に対応しています。こうした背景を踏まえ、薬局を起点とした支援体制の構築が、多文化共生型の地域医療モデルの実現に寄与する可能性が示されました。

薬局は医療機関と比較してアクセスしやすく、国によっては一次的な健康相談の場として機能していることから、軽症者への対応を担う役割の拡大も期待されています。今後は、地域における健康課題の把握、薬剤師側の課題整理、ならびに支援プログラムの開発を通じて、モデル構築を推進していく予定です。

(※発表者の当日資料より一部抜粋)

参加者からは、帰国が現実的に困難な外国籍住民の高齢化に伴う課題について、地域としてどのように支えていくべきかという問いが示されました。また、多言語・多文化環境で育った子どもたちが地域社会において果たし得る役割についても議論がなされ、本地域が今後のモデル構築に向けた重要な検討対象となり得るとの見解が示されました。 

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