現場の声 リレーエッセイ

外国人住民の増加にともない、医療・福祉・行政などの現場では、制度や言葉、文化の違いに向き合いながら支援を模索する実践が続いています。

この連載では、そうした現場で外国人支援に取り組む人々の声を、リレー形式の短いエッセイとして発信します。

相談を受けたときの戸惑いや、支援が届いたときの小さな手ごたえ。そこには、制度の隙間にある課題や、次につながる工夫のヒントが詰まっています。一人ひとりの経験を共有することで、多文化共生に向けた支援の輪を少しずつ広げていきたいと考えています。

リレーエッセイ

#6 「笑顔で伝える“だいじょうぶ” 」

来日して1年未満のミャンマー出身の夫婦と1歳の子どもを支援しています。この方たちを支援する団体から、私の所属するNPO法人が委託をうけ、私は生活支援員として関わっています。 お母さんは保育園の準備や連絡帳の書き方もわからない状態からのスター...
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#5 「“支払い”の優先順位 ~価値観の違いに向き合って~」

ある日、都市部の支援団体から「引越し手続きのため、地元で支援できる人を探している」との連絡を受け、外国人女性を紹介されました。その後の支援の中で、数年前のがん治療費の支払いが滞っていることへの対応も必要なことがわかり、病院への同行を依頼され...
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#4 「出生届と結婚証明書 ~子どものために知っておきたいこと~」

外国人夫婦から「出生届を出す手続きを手伝ってほしい」と依頼されることがあります。その際、たびたび直面するのが、「結婚証明書が提出されていない」という問題です。母国や在日大使館で発行された結婚証明書と、その翻訳(本人以外が翻訳し署名した日本語...
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#3 「 “60日以内” 在留資格と赤ちゃんの未来 」 

近くの病院のソーシャルワーカーから連絡があり、入院中のフィリピン人の新生児のお母さんとお話しする機会がありました。母国では看護師の資格を持ち、日本では介護関係の仕事につくことを目指して語学学校に通っていたそうです。妊娠をきっかけに、就労可能...
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#2 「母国の手帳と日本の制度の間で」

ネパールから1歳の子を連れて来日した母親と一緒に役所の保健福祉課を訪れました。出産は母国だったため、窓口では「母子手帳は不要」と言われましたが、本人が持参していたネパールの母子手帳を示し、「日本の医療機関で見せるために日本語のものが必要」と...
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#1 「母子手帳ってなに?」

大学院に通う東南アジア出身の女性からの相談に対応したことがあります。妊娠したようなので産科クリニックに同行してほしいとのことでした。簡単な日本語はわかりますが、専門用語の理解には不安があるとのことだったので、医師や看護師の説明を補いました。...
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「現場の声」リレーエッセイのはじめに

「現場の声」リレーエッセイのはじめに 制度、言葉、文化の違い――。 外国人住民を支える現場では、日々、さまざまな「小さなできごと」が積み重ねられています。この「現場の声」は、医療・福祉・行政の現場で実際に外国人支援に関わる方々の体験を、短い...