文:仲野由貴子
2025年4月20日、神奈川・横浜にて、トヨタ財団2024年度特定課題「外国人の受け入れと日本社会」に採択されたプロジェクト「高度外国人材とその家族の安心・安全な暮らしを支えるために‐保健医療職の意識変容を促す記事発信と調査に基づく教材開発」チームのキックオフ・ミーティングを開催しました。
本プロジェクトは、代表・西村を中心に、多様な背景を持つ研究者や実践家が参画するチームで構成されており、今後3年間にわたって計画を進めていきます。
会場は横浜市港北区の地域子育て支援拠点「どろっぷ」の研修室。現地に10名、オンラインで3名、さらにフィールド関係者4名の計18名が参加しました。これまでの議論は主にZoomを通じて行われてきましたが、今回初めて多くのメンバーが対面で集い、互いの研究・実践領域を共有しながら、親睦を深める貴重な機会となりました。
概要
午前: メンバーによる視点共有とディスカッション
「妊婦健診・妊産婦ケア概観」
長坂桂子(京都橘大学看護学部、洛和会音羽病院)
「医療福祉職の意識変容を促す記事発信と調査に基づく教材開発」
西村多寿子(株式会社 ことのはラーニング)
午後: メンバーによる自己紹介
まず、メンバーの長坂より、妊婦健診・妊産婦ケアの現状についての視点共有・問題提起が行われました。
妊婦健診・妊産婦ケアは、法律に基づく施策が定められているものの、その提供は市区町村に委ねられており、地域差が大きいことが示されました。また、実践はエビデンスが重視され、ガイドライン等が存在するものの、外国人に特化した対応は整備されておらず、多くが医療従事者の倫理的判断に依存しているという現状が共有されました。
その後、昨今の無痛分娩に対する意見共有や、外国人妊産婦を支援する実践者からの現場報告、生態学的視点からの課題提起などが続き、活発な議論が展開されました。

続いて、代表の西村より、4月9日に行われたトヨタ財団の助成金贈呈式でのプレゼンテーションの再演があり、併せて申請過程を経てブラッシュアップされたプロジェクトの詳細や今後のスケジュールについて説明がありました。

本プロジェクトでは、外国人の医療アクセスや高度外国人材特有の課題に加え、産業保健と地域保健、都市部と地方の違いにも着目し、外国人材とその家族が日本で安心・安全に暮らすための環境整備に寄与することを目指しています。こうした多面的な課題に対し、母子保健や災害時対応における医療福祉職の役割を含め、総合的に取り組む方針が示されました。西村は、「変化の起点をつくりたい」との強い思いを語りました。あわせて、チームの強みである「多様性」を生かした共創の方向性も共有されました。
昼食時には、参加者全員がテーブルを囲み、和やかな雰囲気の中で交流が深まりました。午前中に話しきれなかった近況や、テーマに関する率直な意見交換、新たに生まれた研究案について熱心に語り合う姿が見られました。

<午後の部>
午後は、参加メンバーによる自己紹介が行われました。現地参加者に加え、Zoom参加者も画面越しに順番に加わり、オンラインとオフラインがつながる中、互いの理解を深める時間となりました。自己紹介は一人3分、質疑応答3分と設定していましたが、話が弾み、予定を超えて質問やコメントが飛び交う場面も見られました。
続く記念撮影では、打ち解けた雰囲気のまま、Zoom参加者も画面越しに加わる形で全員が映るよう、パソコンの位置や角度を調整したり、立ち位置を工夫したりと、笑い交じりの賑やかなひとときとなりました。
最後は全員の笑顔が収まった写真を撮影し、盛況のうちにキックオフ・ミーティングは終了しました。


