#2 「母国の手帳と日本の制度の間で」

ネパールから1歳の子を連れて来日した母親と一緒に役所の保健福祉課を訪れました。出産は母国だったため、窓口では「母子手帳は不要」と言われましたが、本人が持参していたネパールの母子手帳を示し、「日本の医療機関で見せるために日本語のものが必要」と伝えたところ、交付が認められました。

日本脳炎など、母国にない予防接種の説明には翻訳アプリを使って対応し、保健師からは日本語とローマ字で記載されたメモを渡されました。後日、本人から「1人で健診に行けた」との報告があり、言葉の壁を越えて支援できた喜びがありました。

制度の柔軟な運用と、多言語情報の工夫が、外国人保護者の安心につながることを実感した経験でした。

(兵庫県 多文化共生マネージャー まろん)

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