大学院に通う東南アジア出身の女性からの相談に対応したことがあります。妊娠したようなので産科クリニックに同行してほしいとのことでした。簡単な日本語はわかりますが、専門用語の理解には不安があるとのことだったので、医師や看護師の説明を補いました。
当初、日本の母子手帳についてほとんど知識がなかったようですが、後日、役所に取りに行くことになりました。帰国して出産するつもりですが、妊婦健診などをこちらで定期的に受けなければならないことを知り、「赤ちゃんのために頑張る」と前向きでした。しかし大学は男性が多く、周囲に相談できる人もいないようです。

異国での生活は不安でしょうし、制度の“入り口”で立ち止まる人は少なくありません。とくに妊娠・出産に関わることは、本人の理解と支援が必要だと思いました。
(神奈川県 医療通訳 アグネータ)
